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バルーン装飾の長持ちの秘訣とは?写真付きで素材による違いや長持ちのコツも紹介!

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バルーン装飾の長持ちの秘訣とは?写真付きで素材による違いや長持ちのコツも紹介!

バルーン装飾の長持ちの秘訣とは?写真付きで素材による違いや長持ちのコツも紹介!

2023/12/18

皆様こんにちは。(株)FluffyLabの風船使いたけむぅ〜です。今回は皆様から寄せられるご質問の中でかなり多い「バルーン装飾ってどのくらい保つんですか?」という疑問に対して、今回クリスマス装飾で展示させていただきました作品の写真を交えて、めちゃくちゃ赤裸々に実際の状況をご紹介させていただきたいと思います。

目次

    バルーンアートデコレーション(バルーン装飾)とは?

    バルーンアートデコレーションとは、様々な種類の風船を使って装飾を行うことを言います。一言にバルーンと言っても様々な種類のバルーン(風船)がこの世には存在します。例えば、天然ゴムの素材でできたラテックスバルーン、アルミフォイルのような素材でできたメタルバルーン(アルミ風船、フォイルバルーンなど)、ビニール素材でできたデコバルーンなどなど、様々な種類があり、そのマテリアル(素材)によって様々な特徴があります。これらを組み合わせて目的に合った空間装飾を行うのが私たちバルーンアーティストのお仕事なのです。

    アルミ風船やビニール風船は長期展示可、ゴム風船は基本的に寿命が短い

    全ての素材に共通して言えることは「しぼむ」ということです。この現象を説明するとかなりややこしい化学のお話になるようなのですが、結論だけ言うと全ての風船がいつかしぼみます。しかし、この萎むスピードが使用する素材によってかなり異なります。ビニル素材やアルミ素材は劣化が非常に遅いためかなり長く持ちます。たとえばデコバルーンで作ったアーチであれば2ヶ月以上保ち、途中で空気が抜けても空気を足すことで復活します。しかし、ゴム風船は違います。ゴム風船は空気や紫外線の影響でどんどん「劣化」していき圧力により内部の空気がどんどん外側に押し出されていくのです。また、劣化の影響で見た目も光沢が失われて、少しずつ白くなっていってしまいます。そして、萎んだ風船に空気を足すことはできません。

    ゴム風船は長期展示に向かないが、素材自体は安価で表現の幅が広い。

    これらを踏まえて結論としてゴム風船は長期展示に向きません。また、劣化の激しい屋外での展示も不向きです。では、ビニル素材やアルミ素材の風船が優っているのかといえばそうとも言い切れません。なぜなら、ゴム風船の最大の特徴は形を自由自在に変えることができるので表現の幅が非常に広いと言うことです。例えば、丸い形形をした風船をハート型にしたり顔の輪郭のように変形させることが可能です。細長い風船は様々な技法により無限の表現を可能にします。ですから、優れたデザインというものはゴム風船を使用して作られたものが多く、多くの人を魅了する作品は大抵の場合がゴム風船でできているのです。さらには、風船1つあたりの値段が10倍くらい違うのでボリュームが出しやすく割ってしまえば片付けも楽です。また、その他の素材にはないふわふわとした質感があります。このように、ゴム風船は長持ちすることを上回る多くの魅力があり、とくにアーティストにとっては素晴らしい風船だと言えると思います。

    どうすればゴム風船を長持ちさせることができるのか?

    しかし、そんな優れたデザインの風船をより長持ちさせて展示の期間をより長くしたい。と思うのはわがままなのでしょうか。いえいえ、それこそが人のサガと言えるでしょう。本来2〜3日くらいがちょうどいいゴム風船の装飾を1週間・・・いやいや、1ヶ月くらい長持ちさせることはできないのでしょうか。そうしたご要望やご質問を多くいただきます。ですので、私たちは、FluffyLab”ふわふわ研究所”の名に恥じないように研究と技術向上に努めています。前置きが長くなりましたが、ここから実際の装飾をご覧いただきながら長持ちさせる方法とその期間について皆様にお伝えしていきたいと思います。

    11月16日に装飾「クリスマスのおうち装飾」

    今回例に挙げるのは、11月16日に彩都インフォミュージアムで制作したクリスマスのフォトスポットです。こちらは12月16日のクリスマスイベントまでの1ヶ月間、この施設で展示されました。ゴム風船は小さいものや細いものほどゴムの厚みが薄く、早く空気が抜けてしまうという特徴があります。例えば、熊の頭にのっているサンタの帽子などは、細長い風船260サイズをメインに使用しており、家についている小さいパステルカラーの風船は5インチのバルーンを使用しています。このような風船は通常早ければ3日くらい、長く持って1週間程度で空気が抜けて小さくなって形が崩れたりしてしまうのが通常です。それ以外の風船も、だいたい2〜3週間くらいで一回りくらい小さくなってしまいます。しかも、隣に窓があり太陽が差し込む&入口から近いので風が吹き込み劣化しやすい環境、さらに様々な方がすぐに触れられる場所であるためある程度の衝撃が加わります。これで1ヶ月はかなり無謀な気がしませんか?

    1ヶ月後(12月18日)の装飾の状態がこちら

    で、これが本日12月18日に撤去しに行った際に撮影した写真です。くまさんを片付けてから思い出して写真を撮ってしまったのですが、サンタの帽子は完璧にその形を保ったままでした。そして、天井と装飾のてっぺんの距離にご注目いただきたいのですが、ほとんどというかほぼ萎んでいません。むしろ、フィルム風船の空気が少し抜けてシワが入っているような状況(トナカイは空気が少し抜けたことにより首が倒れやすくなっていました)でした。ただ、全体の大きさはほぼ変わりませんが、よく見ていただくと、右側のほうが艶がなく、左側のほうが艶が少し残っているのがわかると思います。これは太陽や風によって劣化したスピードが窓側と室内側でかなり差が出たためです。完全に室内であれば、室内側のように全体的にまだ光沢が残っていたかもしれません(空調によっても変わります)。これが、弊社の研究の成果というわけです。

    2〜3週間で1度メンテナンスを入れたほうが良い

    では、ずっとほったらかしで無事だったのかというとそうでもありません。3週間たった12月8日に、一度メンテナンスを入れています。よく見ていただくと一番左の白い風船が1つだけ萎んでいるのがお分かりいただけるのではないでしょうか。また、写真では目立ちにくい箇所ですが他にも全部で4球ほど萎んでいるところがありました。実は、風船の素材は一見すると全て同じように見えますが、ムラがあるので少しずつ強度が異なります。そうしたものが同じように作っていても2〜3週間くらいすると必ず萎んでくるわけです。こうしたものを放っておくと、この歪みが原因で割れたり萎んだりが他に伝染します。ですから1ヶ月以上長持ちさせたい時は、2〜3週間くらいでメンテナンスを入れるのが適切です。もしかしたら、「これくらいならいいや」と最後まで放置してもいいレベルかもしれません。ただ、メンテナンスを入れたおかげで、1ヶ月後にほとんど形状が変わっていなかったと言えるでしょう。これはお客様のお考え次第みたいなところもありますので予算とのご相談という部分になりますので参考にご検討いただければと思います。

    どうやって長持ちさせたのか?その方法とコツ

    では、実際には1週間くらいで小さくなってしまうバルーンをどのようにして1ヶ月もの間長持ちさせることができたのでしょうか。長持ちさせるには様々な工夫と研究結果がありますので全てここでお伝えするのは難しいですが、特に重要なところを今回ご紹介させていただきます。

    風船の中に特殊な”ボンド”を入れる

    まず、最も重要なことは、風船の中に特殊なボンドを入れてから制作するということです。風船を膨らませる前にこれを注入し、膨らませて加工します。これは洗濯糊のようなPVAと糖を一定の割合で混ぜた風船専用のものでハイフロートという名称で売られており、皆様も通販などで購入することが可能です。また、市販の木工用ボンドで代用することも可能です。ここで問題になるのがこの”ボンドを注入する量”です。多すぎれば逆に風船を劣化させる要因となったり、乾くのが遅くて萎んでしまったりします。また、木工用ボンドも、メーカーによっては使いづらいものがあります。

    なるべく風船にダメージを与えない制作技術

    また、制作段階でゴム風船にダメージを与えることを最小限にすることが重要です。ゴム風船は制作過程において、特に結び目の部分にダメージが入り、目に見えない小さな穴が開くことがあります。これは制作直後に気が付くことは難しく、一定時間置いてから萎んだり割れたりしてきてようやく気が付くものです。また、ゴム風船の製造過程でそもそも穴が空いている”ピンホール”と呼ばれるものが紛れており、これを一つ一つ確認しながら制作することも非常に重要です。

    風船をストレッチさせることで内圧を低くする

    さらに、風船の内圧を下げることも重要です。これは風船をちょうど良いサイズに膨らませると、パンパンの状態になると思いますが、これをあえて一度大きく膨らましてゴムを伸ばしておくことでやわらかくし、衝撃や摩擦に強くすることができます。例えば9インチで風船を使用したい場合、一度11インチ以上に膨らませてから9インチのサイズに戻します。これをすると先ほど言ったピンホールを確認することも同時に行え、さらにはストレッチにより風船の衝撃耐性が上がります。

    その他、設置環境に合わせた様々な工夫

    そして、ゴム風船は環境に大きく左右される素材であるため、その時の気温や湿度、空調の状況、紫外線の当たり具合などによって寿命が大きく変動します。また、風船自体もその時のロットによってかなりムラがあり、さらには色によって劣化スピードが異なります。これらを踏まえてデザイン・制作を行うことが重要です。例えば、ボンドを入れることによって逆に早く萎んでしまうような環境もあります。これらは様々な現場での経験や実験結果がなければ確信を持つことは難しいでしょう。

    長持ちに関する噂やネットの情報は今のところ当てにならない

    ネット上には、様々な方が長持ちに関する情報をあげていますし、いろんな噂があります。私はこれらの情報の多くを実際に検証してきました。ですが、その多くは当てにならないもの(中には良い情報もある)でした。この理由は、まず作り手の技術が長持ちに関してかなり影響を与えており、さらに検証した環境が基本的に現場ではなく宅内であり、誰かが触ったり叩いたたりすることも含まれていないので、正直言ってプロの現場では殆ど参考にならないからです。ボンドを水で薄めるなどの話も、デメリットにメリットが全く釣り合っていないので役に立たない情報です。整髪料を吹きかけることもメーカーの成分によっては逆に寿命を縮めることになります。これらの情報の何が正しくて、何が正しくないのかを一般の人が取捨選択するのは非常に難しいでしょう。私の経験上、ネットや専門外のバルーンパフォーマーの発信する情報を鵜呑みにせず、装飾専門のプロに習うかご自身で研究してみてくださいね。

    結論:ゴム風船は1ヶ月くらい持つが、高い技術と様々な経験が必要

    というわけで、今回の現場ですと、まだまだ長い間形は保ってそうな感じではありましたが、今回の「バルーン装飾はどのくらい長持ちさせられるのか?」についての結論ですが、弊社では基本的に、屋外で2日、屋内1週間程度で屋内に限っては長持ちさせるようにしたり、メンテなどをして最大1ヶ月くらい(但し、環境による)と経験でご説明しております。

    但し、これは弊社の研究や技術の成果ですので、作り手や企業によって見解は異なると思われます。(作り手とお客様双方、人によって、このくらいなら保ったの感覚にもかなり差があります。)おそらく、一般的なバルーン屋さんでは長期間であれば、アルミやビニル素材を使用することをお勧めされるでしょう。それでも、見たことのないようなすごいデザインでバルーン装飾を頼みたいという際には、ぜひこのブログを参考にしてご検討いただけますと幸いです。

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